~Hangovercome(ハングオーバーカム)試験とは~

<要約> 【※本試験は2018年5月5日に終了いたしました】

・二日酔いの症状緩和に対するロキソニンの有効性を検討するためのプラセボ対照無作為化二重盲検試験(Randomized Controlled Trial:RCT)です!

 

  ・日本初、医師を被験者とした薬剤効果を推定するRCT(Nationwide Physician's Study)になると思います!

 

  ・クラウドファンディングで試験費用の一部を集めます!

 

  ・医師が楽しく臨床研究について学ぶために企画しました。

イラスト提供:社畜イラストレーターksd


~皆様へのメッセージ~

皆様、初めまして。

Hangovercome(ハングオーバーカム)試験の研究責任者をしております原 正彦と申します。

 

ここでは本研究を行うに至った背景について簡単にご説明させて頂きますが、医療関係者の間では「二日酔いの症状緩和にロキソニンという痛み止めが効く!!」という噂がまことしやかに囁かれておりまして、「都市伝説」的な位置づけになっております。

 

実際、日経メディカルに協力頂き得られたアンケ―ト(n=2739)の結果では20代の医師の27.0 %、30代の25.7 %、全体でも実に17.1 %の医師が実際に二日酔いの症状緩和目的でロキソニンを服薬したことがあるとの結果が得られています(日経メディカルの関連記事はコチラ ※下図は記事からの引用です) 。

そこで、今回は本物の薬とプラセボと呼ばれる偽物の薬を見分けがつかない形で二日酔いになった医師に服薬してもらい、実際の所ロキソニンが二日酔いの症状緩和に効果があるのかどうかというのを確認してしまおうという研究をやる、という事です。

 

英語で二日酔いをHangover(ハングオーバー)と言います。

克服することをOvercome(オーバーカム)と言いますから、これらをくっつけてHangovercome(ハングオーバーカム)試験と名付けました。そうです。オヤジギャグです。。。

 

詳細は省きますが、実は現在臨床研究に対する日本の医師の知識は十分とは言えません。

本試験は医学教育の生きた材料として多くの医師に臨床研究の在り方に関して楽しく学んで頂ける教育の場を提供する非常に貴重な試験になると考えています。

 

もし興味をもって頂けましたら、是非クラウドファンディングでの研究費用支援にご協力頂けましたら幸いです。

ご協力頂ける場合はコチラのサイトからご支援の程よろしくお願い申し上げます。 

 

※本研究にロキソニンの服薬を推奨する意図は御座いません。悪戯に服薬すると消化性潰瘍等の副作用の危険が増えますので、必ず添付文章や医師の指示に従った服薬を行うようにして下さい。


~医師の方へのメッセージ~

先生方は皆様よくご存じだと思いますが、日本では臨床研究関連の教育リソースが不足しております。

世界的な潮流として臨床研究数はどの国でもうなぎ登りで、臨床医としてキャリアを積む上で臨床研究の知識と経験は今後必須のスキルになってくることは確実ですが、今日本は大幅に世界的な流れから後れを取っています。

下図縦軸は臨床医学論文数を示しており、日本と、日本を除くG7の平均の年次推移を示しています。その差が年々大きくなってきていることが読み取れます(※データはクライベイト・アナリティクス InCitesの臨床医学論文数に基づく)。

 

是非この機会に臨床研究についての理解を深める意味でも、本試験の参加をご考慮頂ければ幸いです。

先生方が本試験への参加で得られるメリットに関して簡単にサマライズしてみました。

 

<試験参加のメリット>

・臨床試験に対する知識が深まります:臨床研究は本来結果がPositiveでもNegativeでも意味のあるエビデンスとなりますが、日本では残念ながら統計学的に有意な結果以外は意味がないという間違った考えが普及してしまっており、そういう考え方が研究不正に繋がってきたのではないかと推察しています。例えば本試験でロキソニンが有効という結果が得られれば世界で初めて二日酔いの症状緩和に効果のある薬剤が同定されるわけですし、ロキソニンが無効となれば現在不用意に使われているロキソニンの使用を減らすことでアスピリン潰瘍を予防することに繋がるわけです。実際に試験に参加することで、臨床研究に関する様々な知識が得られると考えます。

・臨床試験の被験者としての貴重な経験ができます:本試験に参加して頂く医師は被験者と共同研究者の両方の立場の経験を積むことが可能です。医学というのは歴史的に研究に協力して頂いた患者さんのデータに基づき仮説を検証するという過程を経て発展をして来ました。先生が将来研究を主導する立場になった時に、被験者になった経験があればこそ、患者さんにも説得力を持って研究協力の依頼が行えるようになると考えます。

・世界標準のEDCの使用経験が得られます:本試験では世界標準の臨床研究データ収集システム(EDC: electronic data capture)を使用しています。先生が将来臨床研究で共同研究の参加を打診されるかもしれません。その際にEDCの使用経験があるかないかで参加の敷居が大きく変わると思います。臨床で頑張っている先生は、何事も1回経験したことがあるのとないのとでは、大きな差が生まれることをすでに理解していると思います。

 

<登録方法>

試験への新規エントリーは終了致しました。

本試験は2018年5月5日に目標症例数である150名のデータ入力が終了致しました。

ご協力有難う御座いました。試験結果に関しましては学術誌での発表をお待ちください。

 

<試験体制>

日本の臨床データで世界で勝負しており、さらに後進の育成に積極的に取り組んでいる教育マインドをしっかり持った新進気鋭の若手メンバーで試験を組みました。内科系、外科系、公衆衛生系から各1人ずつ医師を選出しています。

 

研究責任者(内科系):原 正彦(日本臨床研究学会 代表理事)

…世界初 American Heart Associationで3度 若手研究員奨励賞受賞、査読英文誌 57編

 

研究協力者(外科系):本多 通孝(福島県立医科大学 低侵襲腫瘍制御学講座 教授)

 …日本における初の外科系臨床研究講座を設立し38歳の若さで教授就任、査読英文誌 52編

 

研究協力者(公衆衛生系):北村 哲久(大阪大学大学院医学系研究科 社会環境医学講座 助教)

…New England Journal of Medicineという世界のトップ医学雑誌に筆頭著者として3編の研究を報告、京都大学総長賞受賞、査読英文誌 100編以上

 

試験への参加以外にも、クラウドファンディングによる研究費の支援が可能となっております。

本プロジェクトの趣旨に共感頂ける場合は是非コチラのサイトよりご支援の程宜しくお願い申し上げます。


~学術的な話~

本試験は日本臨床研究学会倫理審査委員会による承認を受けUMIN-CTRに登録されています。

ID : UMIN000028441

ダウンロード
研究計画書はコチラからダウンロード頂けます
Hungovercome研究実施計画書.pdf
PDFファイル 872.9 KB

~謝辞~

日本臨床研究学会の活動は以下に示します粋な企業様からの教育関連の寄付金で成り立っており関係者の皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。このホームページをご覧の皆様、医療関係者の皆様、もし下記企業様の関係者の方とお話する機会がありましたら、是非Hangovercome試験のことを話のネタとしてお使い頂ければ幸いです、笑!!

1. Medisere(薬剤師国家試験予備校)

2. テルモ

3. アボット

4. アステラス製薬

(※寄付金をお申し込み頂ける方はお問い合わせページ下部から内容をご確認下さい)



日本臨床研究学会は特定非営利活動法人Japan Heartの活動を応援しています。